【要注意】リースバックは本当に住み続けられる?増加するトラブルと契約時の注意点
「家を売却した後もそのまま住み続けられる」 そんなメリットから近年注目を集めているのが「リースバック」です。 老後資金の確保や住宅ローンの返済負担の軽減などを目的として利用する人が増える一方で、近年は契約を巡るトラブルも増加しています。 実際に国民生活センターは2025年、「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!」と注意喚起を行いました。 今回は、リースバックの仕組みやメリット、実際に起きているトラブル事例、契約前に確認すべきポイントについてご紹介します。
リースバックとは?
リースバックとは、自宅を不動産会社や投資家へ売却し、その後は賃貸契約を結んで同じ家に住み続ける仕組みです。
リースバックの流れ
- 自宅を売却する
- 売却代金を受け取る
- 買主と賃貸借契約を結ぶ
- 家賃を支払いながら住み続ける
まとまった資金を確保できるため、
- 老後資金を準備したい
- 借入金を整理したい
- 引越しを避けたい
といった方に利用されています。
リースバックは本当に住み続けられる?
結論から言うと、必ずしも住み続けられるとは限りません。
その理由は、契約内容によって居住できる期間が異なるためです。
定期借家契約の場合
リースバックで多く採用されているのが「定期借家契約」です。
定期借家契約は契約期間が終了すると原則として契約も終了します。
例えば、
- 2年契約
- 3年契約
などの場合、契約満了後に再契約できなければ退去しなければなりません。
「売却後もずっと住めると思っていたのに退去を求められた」
というトラブルは少なくありません。
普通借家契約の場合
普通借家契約であれば、借主の権利が比較的強く保護されます。
契約更新を前提としているため、長期間住み続けられる可能性があります。
契約前には必ず、
「普通借家契約なのか、定期借家契約なのか」を確認しましょう。
実際にあったリースバックのトラブル事例
近年はリースバックに関する相談件数が増加しています。
ここでは実際に報告された事例を紹介します。
ケース① 長時間の勧誘で契約を迫られた
80代男性の事例では、不動産会社の担当者が朝から夜遅くまで説明を続けました。
何度も「考えたい」と伝えたものの帰ってもらえず、その場で契約。
後日家族が内容を確認すると売却価格が相場より安い可能性があり、解約を申し出たところ高額な違約金を請求されたといいます。
ケース② 家賃が大幅に値上げされた
70代女性は生活資金を確保するためにリースバックを利用しました。
当初の家賃は約6万円でしたが、数年後に約11万円へ値上げ。
支払いが難しくなり、結果的に退去を余儀なくされました。
「住み続けられる」と説明を受けていたにもかかわらず、現実には住み続けることができなかったケースです。
ケース③ 相場より安く自宅を売却してしまった
高齢の所有者が十分な説明を受けないまま契約し、市場価格とかけ離れた価格で自宅を売却していた事例も報告されています。
家族が後から気づいても、すでに契約が成立しているため取り消しが難しいケースもあります。
リースバックで後悔する人に共通するポイント
リースバックは一見すると便利な仕組みに見えますが、契約内容を十分に確認しないまま進めると、後から「こんなはずではなかった」と後悔するケースがあります。
特に次のような点には注意が必要です。
売却価格だけで判断してしまう
リースバックでは一般的な仲介売却と比べて売却価格が低くなる傾向があります。
「まとまったお金が手に入る」という点だけに注目すると、後から損をしたと感じることがあります。
契約内容を理解していない
契約書には、
- 契約期間
- 更新条件
- 家賃改定条件
- 買戻し条件
など重要な内容が記載されています。
説明を受けただけで安心せず、必ず書面で確認しましょう。
家賃の支払い計画を立てていない
売却後は毎月家賃が発生します。
現在は支払えても、将来的に年金収入だけになった場合でも無理なく支払えるか検討する必要があります。
契約前に確認したい7つのチェックポイント
リースバック契約を検討する際は、次の項目を必ず確認しましょう。
□ 普通借家契約か定期借家契約か
□ 契約期間は何年か
□ 更新は可能か
□ 家賃の値上げ条件はあるか
□ 売却価格は適正か
□ 買戻しは可能か
□ 契約内容を家族にも確認してもらったか
一つでも不明な点があれば、その場で契約せず専門家へ相談することをおすすめします。
まとめ
リースバックは、売却後も同じ家に住み続けられる可能性がある便利な仕組みです。
しかし、
- 必ず住み続けられるわけではない
- 契約内容によっては退去リスクがある
- 家賃の値上げが発生する場合がある
- 売却価格が相場より低くなることがある
など注意すべき点も少なくありません。
「住み続けられるから安心」と考えるのではなく、契約内容を十分理解したうえで判断することが大切です。
大切な自宅を手放して後悔しないためにも、複数の会社から提案を受け、契約内容をしっかり比較検討しましょう。